Flyover country 2018 10 6
メディアでは、毎日のように、
トランプ大統領の悪口が書かれていますが、
何もしない政治家よりも「まし」と言えるでしょう。
昔話を書きましょう。
私は、大学生の時に、故郷の工業団地で、
工員のアルバイトをしました。
多くの大企業が工場を立地して、
大学生のアルバイト以外は、正社員の工員でした。
5時になると、帰宅する工員で、
付近の道路は、渋滞するほどでした。
「今は、どうなっているのか」と思い、
故郷の工業団地を見に行ったことがあります。
「まだ、工業団地はあるぞ」と思いましたが、
人の気配がしないのです。
建物をよく見ると、倉庫になっていました。
工業用の部品の倉庫で、
ロボットとコンピューターが、
部品の出し入れを支配している倉庫に見えました。
夕方5時には、帰宅する工員で渋滞するほど混雑していたのに、
今は、人の気配がない「工業団地」になっていました。
ここが、無人のような「工業団地」になったのは、
もう十数年前だったらしいのです。
西暦が21世紀に変わるころには、
工場が海外へ移転して、倉庫に変わったというのです。
もちろん、「経営学」からすれば、
人件費の高い国内工場を閉鎖して、
人件費の安い海外に工場を移転させれば、
業績は大きく改善するでしょう。
そこに「政治学」の出番はないのか?
私の故郷には、「経営学」はあっても「政治」はなかった。
アメリカも似たような状況です。
「超一極集中社会アメリカの暴走」(小林由美)という本には、
このようなことが書いてあります。
アメリカ国民は、富の集中や金権政治にうんざりしています。
労働者の味方だったはずの民主党が、
クリントン政権の頃から都市の進歩派富裕層を主要な資金源に取り込み、
彼らの利益を代表するようになりました。
アメリカは、Flyover country(上空を飛ぶ国)になって、
つまり、権力者も資金も、東海岸と西海岸を飛行機で往復するだけで、
その空路の下にある大陸中央部は、完全に無視され、馬鹿にされている。
中西部や南部の労働者は、生活困窮の原因をそのように認識していました。
(引用、以上)